自己修正力

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     改めて人生なにが起きるかワカリマセン、な今日このごろ。野村監督の

    奥さんが急死してしまった。残された監督の憔悴ぶりが痛ましくって見て

    いられない。少年時代にTV観戦してたときからなぜか南海ホークスが好き

    で、とくに野村選手は大好きだったんだ。結婚相手が京都・峰山出身で

    縁を感じたなんてことも。奥さんが亡くなり、気落ちした監督が厭世観に

    取り憑かれ、そのまま・・・・・・・なんてこと、あ〜いやだいやだ。

    これは筒井康隆氏にも言えることだけど、私の人生にとって多大な影響を

    もたらした二人が亡くなれば、かなり落ち込むに決まってる。あ〜ぁ。

     

     毎日が日曜日のアタクシ、ココんとこ地下はこのような有様。向こうに

    見える椅子に没頭してるんだ。机上には原寸図、実物大の椅子の図面を

    描いているのです。

     こんなふうにね。つい数ヶ月前には、このワタシが椅子をデザインする

    なんざ思いもよらなかったんだわさ。その証左に、数々の定規類すべて

    椅子を作ってもらうT本さんに差し上げちまったんだ。で、いざ図面を

    と思ったときには、定規がなくって弱るのことよ。でもな、あげた時

    ニャ椅子の図面描くなんてまったく思わなかったもんな。

     

     ま、そういうことはよくあることだけどさ。で、この図面、三枚目

    なのよ。最初にA3用紙6枚をテープで留めて大きく、その上からトレー

    シングペーパーを重ねて改良を重ねてゆくわけだけどさ、鉛筆の減りは

    早い、鉛筆ったってシャープだけど。最初、0.3で書くもポキポキ折れて、

    で0.5にしてもちょっと力入れると折れるんだ。なんせ久しぶりだからさ、

    力加減なんかとうの昔に忘れとるんだ。結局、0.7ですよ。さすがに太い

    から折れまへん。死ぬまでに使い切れないほどのA3トレペだけど、

    テープで留めてる場合じゃない、ここまで来たら大きなので描くしかない。

    なんたってくっつけてるとこに線が引きにくいんだ。

     

     こんなことパソコンでやればチョ〜楽ちんなんだけど、もう図面なんか

    描かないでしょ、もし描くとしてもそんときは手書きでいいや、便利した

    イラストレーターのソフトの買い方もようわからん世代だもんで放って

    おいたらこのざまですよ。相変わらずの遅かりし由良の助だ。

     

     図面で確認して実物モデルで最終チェックの繰り返し、ついに三作目の

    モデルを作る段階になった。図面とモデルの交互作業が面白すぎて、

    え〜っ、こんなに面白かったっけ、と驚いているとこ。昼ご飯食べるのも

    忘れ、夜なべして製図、けっこうねちっこいなと自分でもおどろくほど。

    ひょっとしてSEXよりいいかも。マジで。な〜んてね。

     

     で思ったワケ。なんでこんなにオモロいのかと。若い時からデザイン

    好きでなんだかんだ考えたり作ってきたりしてきたんだけど、若い時は

    経験もないし知識だって覚えたてで熟成していないから、アイデアが

    浮かんでそれをもっと良くする方法がわからない。ヒョイと生まれた

    アイデアがいいのかどうかの判定も下せないんだわさ。なんとなく

    こっちのほうがイイ、みたいな感覚だけの判決だから、自信もなけりゃ

    根拠もない、ただ好きか嫌いかみたいでね。

     

     それがこの歳になればだ、浮かんだアイデアの可否が明確で、次々と

    最善と言わないまでも最良のアイデアが積み重なって、気持ちいいこと

    この上もない。みるみるうちにダサイ椅子の様子が良くなってゆくのが

    わかるんですもん。それって自己修正力ってこと? そにょ通りと一人

    合点なアタイだ。それにですよ、こんな椅子いっこデザインするん

    だって、構造、材料、加工に始まり、テイストや仕上げや発送方法、

    いろんなことをアタマに留め置きつつ、全体を考えなけりゃならない

    わけでさ。そんなこと20代30代、ひょっとして40代のアタイにゃ

    到底出来なかったことだらけだと確信を持って言えるのさ。

     

     そう考えれば68才にして椅子をデザインするってのは機が熟して

    いたんだと思っちゃう。今回の椅子は多くの穴が開き、多くのボルト

    を使うんだけど、かなり以前にネジの永井さんで見たカラーメッキの

    ボルトが使える絶好のチャンス、知り合いの作家さんに布をデザイン

    してもらえる小さな夢が叶うとかさ、今までの人脈品脈を生かせる

    こともある。格子を使った椅子となると、どうしたって和風になるけど、

    それじゃフツウ過ぎる、異文化を持ち込んでいささか刺激的にしないと

    見向きもされないだろとかね、椅子の性格にまで余裕で考えが

    及ぶんだから堪えられませんやね。

     

     なんて書くといかにも自画自賛、自慢が過ぎると言われちゃうん

    だろうな。でもさ、この歳になるまでこれといって大したことやって

    こなかったのが、ようやく家具の王様ともいえる椅子をデザインする

    機会に巡り会い、その過程で感じる実感の素晴らしさに酩酊してる

    こちとら、多少の戯言は許してちょんまげ。

     

    まったくもって至福なひととき・・・・・・・な、店主でした。

     


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