経巡った末の再会もある

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     肩が痛いんだ。いやもうまったくの話。発症して5日めか、やむなく数十年

    ぶりで病院に行く決心。最初は肩だと思ってたら、どうやらリンパ線らしい。

    なもんで、一切の仕事は放置され、三度の食事も弁当と成り果てる有様。いつか

    来るとは思っていたけど今日だったのか、な句があったけど同じような状況に

    陥って大きく頷くアタイだ。右肩が痛い、んでやむなくブログを書くしかない

    ときたもんだ。

     

     写真が薄い! なんせ色鉛筆で彩色したからな。手元にないんだもん、

    くっきり彩色道具がさ。昔ならカラートーンだけど、今あるのかな? 

    エッヘン! コレは原寸図と申してな、椅子を実際の大きさで描いたもんだ。

    コレ書き上げた晩から痛くなった、アタイにとっちゃ曰くつきの呪われた

    図面とでもいいまひょうか?

     手始めに暫定的な図面を描いて実際の椅子を作った。前にも書いたけど、

    この椅子は私が注文する一人用ソファのサイズを確認するためのもんで

    あって、あくまでもソファを作る過程で必要な道具なの。でね、これを

    作ってもらうT本さんに見せたら「いいね」とおだてられ、ならばちゃんと

    作って差し上げることになった。むろん、タダです、ハイ!。

     椅子を作るT本さん、依頼されたお客さんに座り心地を確認してもらえる

    道具として役に立つんじゃないかと思ってね。

     椅子はいろいろある。いろいろ程度によって座面と背もたれに角度がつくのは

    当たり前。座面の高低はこのハンドルで調整しちゃおう、こんな具合になる。

    まずは試作だから握りの無骨さは我慢してくんろ。緩めて上げ下げして別の

    一カ所でも固定して角度を決める、とここまでは誰が考えたってこうなるしか

    ないだろ。さてと、差し上げるも一個を作る際にこの固定部分の正確なサイズが必要と

    なり、結果として原寸図を書かないとならぬことになったワケだ。

     

     T本さんに見せてる途中にひらめいたんだ。彼は、あくまでもこの椅子

    (とりあえず寸法君と命名)は、注文された椅子を作る際に寸法角度を確認

    するための道具と考えてるけど、せっかく作るんなら商品に出来ないかなと

    アタイは考えたんだわさ。まぁ、売れるあてなどないけどさ、商品ごっこ

    メーカーごっこも面白いんじゃない、ってね。数十個なんか作れないけど、

    数個なら出来るかも、いくつか作ってファクティオに展示して、DM作って

    各方面にばらまいて、釣りじゃないけどアタリを待つのココロ。それって

    面白そう。

     

     でね、すかさず井口材木店に赴く、適価な材料の相談だ。この店、大量な

    家具材の在庫を持つ希少な材木屋さん。厚さ27ミリの板ってある?と聞けば、

    ありますよいろいろ、即答してくれる気持ちの良さ。値段も即答、厚さ27ミリ

    巾120ミリ長さ2.4mでおよそ2500円程度。パッチワークのように数種の

    木材を組み合わせてもいいかもしれない、なんてこと考えつつ帰る。

     

     材料はある、作ってくれる人もいる、置ける店もある。お金はアタイの年金

    でなんとかなるんじゃないか。あとは椅子のデザインを考えればよろしい。

    それはアタイの役割だ。原寸図を書き始めるまでにこんな経緯があったのよ。

     原寸図をほぼ書き終えて、待てよ? これ松村さんの椅子に似てるじゃん!

    松村さんとは松村勝男さんのことだ。20代のアタイが強く惹かれた椅子を

    デザインしてた方、まったくもって仰ぎ見る存在。もう50年も経ったんだな。

    あれからいろいろあって、68才で再会するとは思ってもみなかったっす。

     

     氏の椅子が掲載されている冊子あったけど、もうないもんな。ネットで

    調べたら「松村勝男の家具」を発見、なんと一万円。う〜む。しばし考え

    見るだけ見ようと書店に直行。

     悩んだ末に買っちまったぜ。1992年だから25年前か。

     端正でシャープで日本的な佇まいの椅子、当時アタイはこれにまいって

    しまったんだ。今でもその気持ちは少なからずある。なつかしい気持ちも多少。

    これらの椅子と私がデザインしようと画策する椅子には共通する部分が多い。

    さて、これをどう組み込もうか?

     

     記事は続くよどこまでも。なんせ肩痛くてやることないからな。病院に

    行かなくちゃならないんだけど・・・・・・・・・・・。

     

     すでにアタイはミメーシスなる言葉を知っている。20代のアタイとは大きく

    異なる。なんたってあれから50年だもんな。直訳すれば「模倣」、芸術上の

    考え方で、たしか放送大学で知ったんだ。かのモーツァルトだってバッハの

    音楽は知ってたし、影響も受けた。影響ってのは模倣もあったに違いない。

    アタイは松村勝男さんの椅子を模倣するってこと。本質を理解して私なりに

    解釈し直す、それをパクリなんて言う方もいるだろうけど、そうでは

    ありませぬノダ。

     

     松村さんの家具から紹介できない椅子もある。なんで? と言われると

    困るんだけどさ、一応、ごっこだけど新商品の開発に関することだから秘密

    情報もあるってことで理解してくださいな。で、その椅子にも元があること

    に気付いたのよね。

     きっと松村さんコレ見たことあるんだろうな。だってとっても近しい印象

    だからさ。ミメーシスしたんだろ。さらに

     こんなものも。いずれもヨーゼフ・ホフマンだ。まるで今回のアタイの

    椅子にゃピッタリこん。立格子なら日本にだってあったし。待てよ?

    ホフマンさん日本建築を知ってた? そんなこたぁないだろ。でもなぁ、

    これまるっきり京都の町家じゃん。考え過ぎですかね。

     ホフマンにゃこんなヘンテコな球がついてるのもある。俗にホフマンボール

    と呼ばれる角隅を補強する部品だ。他に類をみないコレ、関係者であれば

    一目でそれとわかる逸品アイデア。もう誰もマネできない代物。まるで

    フレディ・マーキュリーのマイクみたいなもん。昔っからこの球、気になって

    いたんだ。でも、あまりにも特徴的だからさ、手も足も出なかったんだ。

    今のアタイ、この球をなんとかミメーシスできないもんかね。出来そうな

    気がするようなしないような・・・・・・・・・あぁ、出てこいアイデア。

     

    ってなこと言いつつ、病院に行きますか?・・・・な、店主でした。

     


    コメント
    御歳で椅子に取りかかるは真っ当。協力したいです。
    巨匠ウェグナーにして、俺は職人で、デザイナーと呼ぶなと、晩年まで、老若男女、家族に試しては試作品の脚を切り詰めたり継ぎ足したりしていましたしね。
    ご紹介の写真の椅子は畳の上に置く仕様で、日本人としてこのタイプにはずっと興味を抱いてました。
    • T野井
    • 2017/11/22 7:43 PM
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