ふと、スーパースタジオだな

0

     FACTIO地下の試聴室&ミニオフィスに長らく鎮座ましましてたソファが解体

    の憂き目に。理由は大振りなスピーカーが一階から降臨され、行き場を失っての

    こと。あちこちブッタギリの末にこうなったんだ。

     思いっきり無骨だな。ま、そりゃそうだ、元は畳一枚あろうかというソファ

    だったんだからな。フレームの太いこと太いこと。ってことは重さもけっこう、

    やむなくキャスターを付けた。座り心地はまぁまぁ、でもなあ、いかんせん

    デカイ、っていうかかっこ悪しきわまりなし。

     ほんじゃ作ってみよう、ってたって椅子ニャぜんぜん興味がないコチトラ、

    技術も経験もないしさ、せっかくの機会ならコイルスプリング仕様の本格的

    なものにしよう、ということを鑑み、知り合いのT本さんにお願いすることに

    なったんだわさ。

     

     全権を託し、待てば海路の日和あり、でもい〜んだけど、せっかく作るんなら

    ここは一番椅子を丸々とまではゆかないけど出来るだけ理解しようと発奮したい

    と思ったワケ。椅子に興味はないけど、知りたい好奇心で、まずは寸法だ。

     椅子には6種類のプロトタイプがあって、これは2型。ダイニングチェア

    でしょうか。目安になる各寸法が書き込まれている。

     で、コレが6型。ヘッドレストが必要となる、そこまでリラックスする

    必要もないし、第一こんなに傾いてちゃ立ち上がるのに一苦労するじゃん

     ってことで5型のここらへんが妥当なとこだろうと決めて一服。さてと、

    打ち合わせのときT本さんが、ちょいとむずかしい椅子の注文が入って難渋

    してるんだ、を聞いてたから、だったら1から6までの型を変化させられる

    寸法確認できるような椅子を作っちゃおうかって考えたわけでげす。

     それは例えば、メガネを作る時に使用するレンズ交換可能なあの黒くて

    真ん丸なメガネのようなもの。フレームは一つで座面と背もたれが自由に

    変化出来る優れ者クンだ。

     6タイプの椅子の座面と背もたれを一枚に描く。肘掛けもつくから些か

    複雑になるんだ。6つのポイントをカバーできるようにフレームを考えて

     できあがったのがこんな代物でね。ええかげんなモデルだからあちこち

    暴れまくってる。けど、まぁ、こんなもんだろ、で一服。側面フレームだけ

    試しに線を描いてみる。寸法の目安になる線だ。できれば全面すべてを升目

    で埋め尽くそうと考えたそのとき、こりゃ、あの、スーパースタジオ様だ

    と思ったんだ。

     1966年にイタリアで産声を上げたスーパースタジオ様、当時SDかなんか

    でこの写真を観たアッシ、驚きましたわい。なんだコレ?そして!ってな

    もんでね。なんて素晴らしいイメージなんだ! 影響は多大で今も続いとる。

    実作はほとんどなく、過激なドローイングを発表し、後にアーキーズーム、

    そしてソットサスが代表選手のメンフィスに受け継がれるとアタイは理解

    してるんだが、違ってるか? のっし

     彼らの作品の一つがこれでね。真っ白な〜んにもない椅子やテーブルは

    升目で包まれているんだ。それが50年後の今、世界の片隅、私の地下で

    再現されようとしている。長く生きていると巡り会わせはあるもんだ。

     

     話は戻るよどこまでも。アタイが欲しいのはコイルスプリングを糸で巻き

    繋いだもんだ。底にウェビングテープを張りウレタンクッションを載せた

    ようなもんじゃなくて。さらに、

     こんなSバネでもない

     やっぱこのタイプでしょ。フレームを作り、底に力布を張り、コイル

    スプリングを並べて糸で繋いで緩く固定、その上にまた布を張り、適当な

    薄いクッションを張り、最後に好みの布地で張り包む。むろん、四周の

    土手はワラとか馬毛とかを使ってこんもりしてさ、最後は鋲打ちで

    仕上げるといった正統派、こんな案配でなきゃ困るのことよ。

     

     過去一度だけしか座ったことのないスプリング仕込みのソファ、あれは

    横須賀の美術館だったな。座り心地に驚愕したもんな。適度な張りと沈み

    こみの心地よさは恍惚といって差し支えないもんだったよな。あれに比べ

    たらウレタンなんか・・・・・・・と言いたい。それがたかだか15万から

    20万で手に入るんなら安いもんですよ、実際の話が。

     それになによりもこういう椅子を作ってくれる工房が見当たらないと

    いう現実もある。椅子を作るとこならいくらでもある、でもさ椅子だけ

    じゃなく張りもできるってことになると、そうそうあるもんじゃありま

    せんえん。

     

     とはいえ、金額が金額だから多くの方々は金額を聞いただけで尻込み

    するのもわかる。どうしたってIKEYAと比べちゃうもんな。でもさ、

    考えてもみてもらいたい、職人の手間を。昔、とある工房で一日幾ら

    くらいの収入が必要なの? 答えは35,000円でした。とするとですよ

    15万ならフルに働いて一週間以内ってことだ。なんたって場所代、電気、

    ガス、刃物も研がにゃならないし、清掃も、ご飯も食べなくちゃならん、

    子供も育てるし、カミサンとSEXだってしないと、そんなあれこれ一切

    丸々の35,000円、しかも出来上がった椅子はほぼメンテナンスなしで

    一生使える、そう考えると決して高くはない。アタイはそう思うんだが

    ・・・・・・・・・・どうかね?

     

    で、今日はなにしよう・・・・・・・・・・・・な、店主でした。

     


    コメント
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック

    calendar

    S M T W T F S
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31      
    << December 2017 >>

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    links

    profile

    書いた記事数:546 最後に更新した日:2017/12/13

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM